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海を知り、未来へつなぐ ― スナメリ研究の最前線

【英語字幕あり】YouTube再生後に設定アイコンから字幕>英語を選択

沿岸の浅い海に暮らすスナメリは、日本を含むアジアの身近な海に生息する小型のイルカ類です。しかし、濁った海では姿を見ることが難しく、その行動や生態には長らく謎が残されてきました。私は、こうした「見えない海の生きもの」を理解するため、音や映像、そして生理情報を手がかりに研究を進めています。

これまで主に取り組んできたのが、受動的音響モニタリングを用いた研究です。スナメリは超音波のクリック音を発して環境を認知するため、水中マイクでその音を記録することで、目視に頼らずに分布や行動を調べることができます。この手法により、スナメリがいつ、どの海域を利用しているのか、また船舶航行などの人間活動にどのように反応しているのかを明らかにしてきました。

近年は、ドローンを用いた研究にも取り組んでいます。上空から撮影した映像を解析することで、スナメリの体長や体形を非接触に高精度で測定できるようになりました。また、最近は「どこで・何をしているのか」も調べています。海域利用特性の解明は保護区など具体的な保全策につなげることができます。

さらに最近では、テロメア長という生理指標を用いた研究にも挑戦しています。テロメアは細胞の染色体末端にある塩基配列で、ストレスや加齢の影響を受けてその長さが変化することが知られています。テロメア長を調べることで、環境の変化が個体にどのような生理的負担を与えているのかを、中長期的な視点で評価できる可能性があります。この研究は、海棲哺乳類を対象に近隣の水族館と共同研究で進めており、現在は野生の魚類にも応用を広げています。

音で存在を知り、ドローンで体を測り、行動を捉え、テロメアで個体の状態を読み解く。こうした多角的なアプローチを通じて、イルカをはじめとする海の生きものと人間が共に生きられる未来を描くことが、私の研究の目標です。

木村 里子(京都大学東南アジア地域研究研究所)

所属等の情報は、動画撮影時のものです。

もう少し深く知りたい方への文献紹介

  1. 音響サイエンスシリーズ20「水中生物音響学」赤松友成, 木村里子, 市川光太郎.コロナ社.

  2. 木村里子.「スナメリを音響で追いかける」 秋道智彌, 窪川かおる, 坂口秀編. 海とヒトの関係学⑥ 海のジェンダー平等へ.西日本出版社(分担執筆).
  1. 木村里子.「音の数から個体数を推定する」p142-145 日本バイオロギング研究会編. バイオロギング2-動物たちの知られざる姿を探る,京都通信社(分担執筆).
  2. ザッツ京大 People No.168「音からひも解くイルカの世界~生き物がいる豊かな海を未来にも~

Author

  • 木村 里子

    准教授
    専門分野:
    水中生物音響学、環境影響評価、自然共生システム

    Associate Professor
    Fields:
    Underwater Bioacoustics, EIA(Environmental Impact Assessment), Natural symbiotic system

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